ジョニイの無目的室

目的なく、ただつらつらと。

暴力性の発露

この前のブログで喧嘩の話題に関連して、
人は人を傷つけたいという欲望がある
ということを書いた。


それで思いだしたのが、
ディストラクション・ベイビーズ
という映画だ。
監督は「宮本から君へ」の真理子哲也、
主演は柳楽優弥だ。


「宮本から君へ」も人間の暴力性を
容赦なく描いていたけれど、
ディストラクション・ベイビーズ」は、
暴力衝動と暴力そのものを
これでもかというぐらいに
突きつけてくる映画だった。


主人公の柳楽優弥は、
街ですれ違った見知らぬ相手に次々と
喧嘩を売り、
ボコったりボコられたりを繰り返し、
それを勝つまでしつこく続けるという
イカれた人間だ。


そしてチンピラ高校生役の菅田将暉は、
弱い犬ほどよく吠え
荒ぶる暴力性を抑えられず暴れまくる
厄介な男だ。
そしてこの二人がキャバ嬢小松菜奈
暴力の道行へと向かう。


この映画は
今までたくさんの映画を観てきた中でも
とくに印象深い。
というのも、
人間の根源的な何かを見せられたような
気がしたからだ。


柳楽優弥が特別狂っているのではなくて、
そもそも男にはみな暴力衝動があって、
程度の差こそあれ、
それはみなに標準装備されている
という怖さ。
それがあまりにもあけすけに描かれていて
ショックだった。


しかも暴力というのは、
井筒監督の「ヒーローショー」でも
描かれていたように、
その行き着く先は殺人・死しかない。


そんな死をもたらすような暴力衝動が
標準装備されているのが男だとしたら、
僕らは一体どうすればいいのか。
この映画ではその答えまで示される。


祭りだ。


映画の後半、祭りが描かれる。
荒ぶる男達がそのエネルギーを
祭りに発散させる。
暴力性の発露としての祭りを知らない
柳楽優弥は最後まで人を殴り続ける。
ラストシーンで柳楽にやられた警官は
死んだのだろうか。